先に確認したいのは、どの作り方か
「300dpi」「sRGB」という言葉だけを見ると、スマホにある写真を全部変換しなければいけないように見えるかもしれません。ここで扱うのは、MyBook FLATを外部の画像編集ソフトでレイアウトして入稿する場合です。MyBookのFLAT向け入稿仕様では、レイアウト全面の画像解像度を300dpi、カラープロファイルをsRGB、保存形式をJPEGと案内しています。
MyBookのWeb版やスマホで写真を選び、画面上で編集する方法まで同じ設定が必要だ、という意味にはしません。作り方が違えば、利用者が直接扱うデータも違うからです。まず「外部で見開きや表紙を作ったFLATなのか」「MyBookの編集画面で作る商品なのか」を分けてください。
| 作業の場面 | 今回の300dpi・sRGB確認 | 最初に見るもの |
|---|---|---|
| 外部ソフトでFLATの見開きを作る | 必要 | 商品の入稿仕様、仕上がりサイズ、塗り足し |
| MyBookのWeb/スマホ編集で作る | 一律には不要 | その編集画面と選んだ商品の注意事項 |
| 写真の色や紙を実物で比べたい | 数値だけでは判断不可 | 少部数の試作、同条件の実物比較 |
数字を守れば色や裁断が完全に再現される、という話でもありません。画面、写真データ、用紙、印刷条件には差があります。この記事は入稿データを整えるためのガイドであり、印刷結果の品質評価ではありません。
写真を選ぶ前ではなく、配置サイズを決めたときに見る
300dpiは「写真そのものの良し悪し」を採点する数字ではなく、最終的にどの大きさで置くかとピクセル数の関係です。配置幅をインチに直し、300を掛けると、計算上の目安になる横ピクセル数が出ます。
たとえば、写真を横10cmで置くなら、10 ÷ 2.54 × 300で約1,181ピクセルです。横20cmまで大きく置くなら約2,362ピクセルが同じ計算の目安になります。これは一般的な換算で、MyBookがその数値で受理することや、仕上がりを保証する最低値ではありません。写真をトリミングした場合は、トリミング後に残るピクセル数で考えます。
写真選びの段階で「高解像度らしいから大丈夫」と決めるより、次の順番にすると戻り作業が少なくなります。
- FLATの仕上がりサイズと、外部レイアウトのテンプレートを確認する。
- 見開きで大きく見せたい写真を先に決め、配置幅を仮置きする。
- その配置後の必要ピクセル数と、トリミング後の画像を比べる。
- 文字や顔が端・中央の折り目に近くないかを確認する。
- JPEG・sRGBなど、その商品用の保存条件を最後にそろえる。
最初から全写真を同じ大きさにする必要はありません。背景や小さなコマと、見開きで主役にする写真では必要な大きさが違います。大きく使う候補から確認すると、あとで写真を丸ごと差し替える場面を減らせます。
sRGBは色を「同じにする」設定ではない
入稿仕様のsRGBは、外部ソフトで作ったデータの色空間をそろえるための条件です。ディスプレイで見た色、家庭のプリンター、完成した本の色を同じにする約束ではありません。モニターの明るさや表示設定も、見え方に影響します。
そのため、色味や紙の質感を購入の決め手にしたいなら、この記事の数値だけで選ばないでください。許諾のある写真で少部数を作るか、同じ商品・用紙・仕上げ条件が明記された実物比較を探すのが安全です。色を「鮮やか」「自然」と断定できる比較は、この記事にはありません。
塗り足しと安全な位置は、文字を入れた後にもう一度見る
公式は製本時に数ミリずれるおそれがあるため、塗り足し領域のぎりぎりへ文字や写真を置かないよう案内しています。これはデータを作った直後より、年号や名前を入れ終えた直後に見直すのが効果的です。文字は画像よりも少し欠けただけで読みづらくなるためです。
次のような要素は、端や見開き中央から距離を取る候補です。
- 顔、手、集合写真の端にいる人
- 日付、学年、名前、短いメッセージ
- ロゴや作品名など、欠けると意味が変わるもの
- 見開きの中央で分断したくない建物や人物
「端まで写真がある方が映える」ページもあります。その場合は、端が少し切れても成立する背景を置き、重要な要素を内側へ寄せる、と役割を分けると判断しやすくなります。
注文前の5分チェック
| 確認 | 判断 |
|---|---|
| 外部レイアウトによるFLATか | はいなら仕様ページを開く。違うなら編集方法ごとの注意を確認する。 |
| 配置後のピクセル数は足りそうか | 大きく置く写真、切り抜いた写真から見る。 |
| カラープロファイルと形式 | 公式仕様に沿ってsRGB・JPEGを確認する。 |
| 端・折り目・塗り足し | 顔、文字、年号をぎりぎりに置かない。 |
| 実物評価が必要か | 必要なら少部数の試作や別の根拠を用意する。 |
外部レイアウトで写真を本の設計に合わせたい人にはFLATの入稿仕様が役立ちます。一方、写真を選んで編集画面で仕上げたい人は、数値設定から始める必要はありません。作り方を取り違えずに確認範囲を狭くする方が、入稿前の不安は減ります。