七五三の写真は、撮ったあとに選べばいいと思っていた。毎回そう思う。撮る前からアルバムのことまで考えていたら、当日を楽しめない気がしていた。
でも、いざ一冊にしようとすると、鳥居の前の家族写真はある。着物の全身もある。なのに「この日だったな」と思い出す場面が足りない。待っている横顔とか、草履を気にして止まった足元とか。撮れなかった写真は、あとからページを増やしても生えてこない。
そこで今回は、カメラロールが空のうちにAIを開いた。何を撮っておけば、あとでページをめくったときに困らないか。画像を見ながら、その下見をしたかった。
まだ一枚も撮っていないのに、ページが足りなかった
最初に考えたのは、表紙の写真だった。千歳飴を持って正面を向いた一枚。これはたぶん撮る。そこまではすぐ決まる。
困ったのは中身だった。前撮りのきれいな写真を大きく置いて、参拝当日の写真を何枚か入れる。言葉にすると、それだけで済む。でも、見開きを想像すると急にあやしい。「何枚か」が、ぜんぶ同じような正面顔になりそうだった。
一冊の中にほしかったのは、きれいな七五三の写真だけではなかった。少し緊張している朝、着物の袖を直す手、家族がそろい切らない一枚、帰り道に気が抜けたところ。そのへんがないと、後から見たときにスタジオの見本みたいになってしまう。立派だけど、自分たちの一日ではない感じ。
写真を撮る前の段階で、見開きごとに「何を残したいか」を仮に置いてみることにした。ページ数もレイアウトも、ここでは決めない。主役の写真がいる場所と、流れをつなぐ写真がいる場所だけ。順番が見えたら、必要な画角もだいたい見えてくる。
最初の指示は、きれいすぎて役に立たなかった
最初は「七五三のフォトブックのページ構成を画像で見せて」とだけ入れた。出てきたのは、よくできた記念写真ばかりだった。家族は全員カメラを向いているし、着物は一度も乱れない。神社らしいものも、なぜか画面に盛られがちだった。いや、そういう写真も一枚はほしい。でも、それだけなら撮るものを増やすヒントにならない。
そこで、完成写真を求めるのをやめた。場所、誰がいるか、ページで担わせたい役割、そして「整えすぎない」をまとめて渡した。
東京都府中市の大國魂神社を想定した七五三のフォトブックで、主役の写真1枚と、それをつなぐ小さな写真2〜3枚を置いた見開きのラフを、画像で1案ずつ生成してください。実在の建物の細部を再現する必要はありません。家族3人で、3歳の娘が主役です。前撮りの決め写真とは別に、参拝当日の少し落ち着かない空気も残したいです。主役写真は「横の家族写真」、小さな写真は「手元の縦写真」のように、必要な画角が読み取れる構成にしてください。全員がきれいにカメラ目線の記念写真だけにはしないでください。この絵コンテは当日の記録には使わず、撮影前の相談材料として考えます。
大國魂神社と書いたのは、東京のどこか、で済ませると背景まで無難になるからだった。ただ、社殿や鳥居を正確に描かせたいわけではない。端に木々や参拝客が見えるくらいでいい。大事なのは、そこに行ったら何を見つけて撮りたいかだった。
ChatGPTで試すなら、相談文に「画像を生成して」と添える。OpenAIの画像機能の案内でも、文章からの生成や、参考画像を添えた相談が紹介されている(2026年10月15日確認)。商品画面を再現させるより、横位置の家族写真と縦位置の手元を一緒に見せてもらう方が、撮るものを考えやすい。ラフに描かれた枠が、しまうまのテンプレートにそのままあるとは限らない。
AIの案をそのまま採用するわけではない。むしろ、出てきた三つの見開き案を見て「これは当日無理そう」「これは欲しい」と消していく。家族全員の表情が完璧な写真を何枚も撮れる前提は、最初に外した。
3つだけメモに残した
最終的に残したのは、スマホのメモに入る三行だった。
「横で、三人が少しずつ写る写真」。表紙や最初の見開きの候補。誰か一人だけが満点でなくても、着物とその日の場所がわかればいい。
「縦で、娘の手元か横顔」。着物の柄、千歳飴、手水の柄杓。顔のアップを増やすより、こういう一枚があるとページの呼吸が変わる。
「帰り際の一枚」。靴に履き替えるところでも、着物を脱いだあとのおにぎりでもいい。ここだけは予定どおりに撮れなくても、当日の終わりがわかる場面を探す。
メモは少ない方がよかった。七五三の「撮りたい写真リスト」を十個も二十個も作ると、今度は撮影のチェック作業になる。娘に向かって「次は袖、次は後ろ姿」と言い出したら、完全に本末転倒だ。
別の行事に使い回すなら、三行の中身を替えればいい。たとえば誕生日なら「ろうそくを吹く前の顔」「ケーキを切る手元」「片づけ途中の食卓」。これは撮影メモの例で、全部を撮り切る目標ではない。集合写真ばかりになりそうな日ほど、誰も並んでいない一場面を候補に入れておきたい。
3つなら、スマホで撮りながら思い出せる。撮れなければ、それでもいい。主役の写真と、流れの写真と、最後の写真。その違いだけ頭に残っていれば、同じ表情の写真ばかりになったときにも、ちょっと戻れる。
AIに見開きを相談してから、写真を撮りに行った
AIにイメージを頼んだあと、実際に撮る写真は自分で決めた。画面に出た家族や神社の絵を、そのまま七五三の記録に入れるためではない。撮影前に「ここは横で残したい」「ここは娘の手元があれば足りる」と言葉にするためだった。
しまうまプリントのフォトブック入門でも、作る前に一つレイアウトを考えておくこと、写真フォルダを用意すること、複数枚の配置や見開きを使うことが案内されている。確認日:2026-10-15。自分の場合は、その前段にAIとの壁打ちを一回入れた。
当日は、メモを見ながら実写真を撮った。帰ってからAIのイメージを開き直すより、撮れた写真だけをフォルダに集める。そこで初めて、しまうまの実際のレイアウトに並べた。AIが決めたページを写すのではなく、実写の中から「これは大きく置きたい」「これは二枚でつながる」と決め直す。その順番の方が、写真に無理をさせずに済んだ。
いちばん役に立ったのは、引きで撮った一枚だった。主役としては弱そうで、最初なら外していたと思う。でも、小さな手元の写真の横に置くと、娘がどこにいて、家族がどんな距離で見ていたかがつながった。撮る前に小さい写真の役を考えていたから、残せた一枚だった。
AIに任せたのは、完成したアルバムではなく、撮る前の迷いだったと思う。
クリスマスやライブなら、最初の一枚を変える
このやり方は、七五三だけのものではない。クリスマスなら、ツリーの前の集合写真を主役にするのか、飾りつけの手元や食卓をつなぎにするのか。先に一度並べてみると、当日に撮りたいものが変わる。
ライブやイベントなら、会場内で写真を使えるかを先に確認する。そのうえで、自分で撮れる範囲の移動、手元のチケット、帰り道などから、最初と最後を考える。公式の写真や他の人のSNS写真を、足りないページの穴埋めにはしない。
カレンダーやポストカードにするなら、さらに話は早い。一月や一枚で残る写真はどれか、と最初に決める。アルバムなら脇役になる写真が、机の上では主役になることもある。
撮影前にAIと話しておくと、当日が台本どおりになるわけではない。それでいいと思う。むしろ、予定から外れた写真を見つけたときに「これ、最後のページに入るかも」と思える。その余白がある方が、あとで本を作るのが楽しかった。
撮れた写真から主役を選ぶときは、ページ数と写真枚数の考え方と、PCでのレイアウトやスタンプの置き方も参考にしてください。



