七五三の写真をパソコンに取り込んで、まず前撮りのフォルダを開いた。千歳飴を持って正面を向いた一枚。これで表紙は決まり、と思った。ところが参拝当日のフォルダを開いた途端、話が終わらなくなった。

鳥居の前ではまぶしくて顔がぎゅっとなっている。境内では足袋が気になって、三歩ごとに止まる。帰宅して着物を脱いだら、ようやく普通の顔でおにぎりを食べていた。前撮りほど整っていないのに、消すたびに「いや、これはいるな」と手が止まった。

写真がぜんぜん減らない

最初は、うまく撮れた写真だけ残せば早いと思っていた。写真好きの悪い癖で、顔がいちばんよく写っているか、着物の柄がきれいに見えるか、つい拡大して見てしまう。でも七五三は、顔だけで決まらなかった。

前撮りの決め写真は、千歳飴を持って正面を向いた一枚にした。何年後に見ても「ああ、七五三だ」とすぐわかる。そこは迷わない。もう一枚、撮影の合間にカメラマンを振り返って笑った横顔があった。着物の柄は少し見えにくい。それでも、こちらのほうが本人らしい気がして、消せなかった。

参拝の写真はさらに厄介だった。祖父母と並んだ一枚、手水の順番を待つ後ろ姿、屋台のほうをずっと見ている顔。カメラロールなら、どれも前後の写真に埋もれていく。フォトブックにするとなると、一枚ずつに席を用意することになる。急に全員、親戚の結婚式の座席表みたいな扱いになった。

家族写真も同じだった。子どもの表情だけならA。妻の目線まで見るならB。自分の顔は、まあ、Cでもいい。三人が同時に満点の写真はない。最後に残したのは、子どもが少し横を向いていて、妻は袖口のしわを直し、自分は右端に寄りすぎていた一枚だった。足元は切れている。でも、妻の指先も、まだ落ち着かない子どもの立ち方も写っている。きれいに並んだ写真より、その場の空気が残っていた。

前撮りと参拝、どちらも外せなかった

前撮りの写真だけなら、見開きいっぱいにどん、と置きたかった。しまうまプリントには180度開くフルフラット製本のPICTURESがある。B5スクエアまたはA4で、12ページか24ページ。ただし写真を配置できるのは中表紙を除いた11ページか23ページで、注文はPCから。少数の写真を大きく見せたいときの候補になる(公式商品ページ、2026年10月15日確認)。

ただ、七五三の日は前撮りだけでは終わらない。前撮りは「ちゃんとした日」だったけれど、参拝では草履が気になり、屋台のほうを見て、手水の順番を待つ。表情のきれいさでは負けるのに、抜くと急に他人行儀なアルバムになる。

そこで、写真を絞って見開きに寄せるより、通常フォトブックに前撮りと参拝をまとめることにした。2026年10月15日に公式のサイズ・仕様とページ数の案内を見た。A5なら24、32、48、72、96、144ページから選べる。前撮りの主役写真を大きくして、参拝の小さな出来事は何枚かでつなげる。今回は、その余白がほしかった。

残したいこと 自分が考えた選び方
前撮りの主役写真を見開きで大きく残す PICTURESを候補にして、写真の数を絞る。
前撮りと参拝の流れを一冊に入れる 通常フォトブックのA5を基準にして、写真の大小を混ぜる。
縦の主役写真を大きく置く 見開き候補を先に決め、顔や着物の柄が切れないか確認する。

通常フォトブックはサイズ・仕様にある無線綴じで、PICTURESのフルフラット製本とは違う。中央をまたぐ顔より、ページの中に収まる一枚として考えた。A5の推奨画素数は、PC向けの画素数案内では単ページが1,866×2,598px、見開きが3,614×2,598pxだ(2026年10月15日確認)。そこだけは気分で押し切れないので、元データの縦横比と画素数も確認した。残したい気持ちと、入るかどうかは、別の話だった。

A5・32ページで並べてみた

写真を全部選んでからサイズを決めればいい、と最初は思っていた。完全に逆だった。選んだ写真を並べたら、「この横顔は小さくしたくない」「帰り道も一枚ほしい」が始まる。そこからページ数を変えると、また最初に戻る。

自分はA5・32ページ・スタンダードで先に止めた。スタンダードはフォトラスター紙と巻きカバーの仕様で、中表紙にも印刷が入る。公式の仕様で2026年10月15日に確認した。毎年作る本の隣に置いても大げさすぎず、でも記念の一冊としては少しだけ気分が出る。ライトで枚数を増やす案もあったし、「一生ものだから一番いいもの」に寄せる気持ちもあった。今回は、その中間でよかった。

ページは、前撮りの決め写真を一枚で見せるところと、参拝の流れを四枚ずつ置くところを交互にした。鳥居、手水、絵馬、帰り道。画面で見ていたときはばらばらだった写真が、その順番に並ぶと、鳥居の前で立ち止まったことも、帰り道にやっと気がゆるんだことも思い出せた。写真を選んだというより、朝から夕方までの順番を並べ直した感じだった。

写真の横に書いたのは日付だけ。場所も天気も入れようと一度は思ったが、そこまで書くと急にアルバムが説明書っぽくなる。ページをめくれば思い出せることは、写真に任せた。

手水の写真、もっと大きくすればよかった

届いた本をテーブルに置いて、最初に見たのは表紙ではなかった。前撮りのきれいな一枚の次に、神社でちょっと疲れた顔がある。その落差が妙におかしくて、家族で笑った。紙になると、写真の上手さより順番が先に目に入るらしい。

いちばん残してよかったのは、着物を着る前、鏡の前でじっと自分の顔を見ている写真だった。撮ったときは、アルバムに入れるほどでもないと思っていた。けれど本の途中にあると、あの日の緊張と期待が、その数秒だけで戻ってくる。

逆に、手水で柄杓を持った横顔は、もっと大きくしてもよかった。流れを見せる四枚のうちの一枚にしたが、着物の袖と真剣な顔がよく写っていた。届いてから気づくのか、と思った。

もう一度、そのページに戻る。柄杓を持つ手も、ちょっと真剣すぎる顔も、やっぱりいい。次はこの写真を大きくしよう。