ConoHa VPSのプライベートネットワークは無料。それなら、WebとDBを最初から2台に分けたほうがいいのでしょうか。
自分なら、台数を増やす前に「何を分けたいのか」を決めます。OSの更新や再起動を別々にしたいなら、2台にする理由があります。一方、ひとつの処理に大きいメモリが必要なら、小さいVPSを2台足しても代わりにはなりません。
時間課金の月額上限では、2GBを2台にすると本体は4,066円。4GBの1台は3,608円です。差は458円ですが、買えるのは同じ4GBの使い方ではありません。ここを分けると、ネットワークが無料かどうかより判断しやすくなります。
2GBを2台は4,066円、4GBを1台は3,608円
Web用とDB用のOSを分ける必要があるなら、2GBを2台にする案は、4GBの1台より月458円高い本体費で検討できます。ただし、それぞれの処理が2GBの環境で動くかを先に確かめる必要があります。
| 比べる項目 | 4GBを1台 | 2GBを2台 |
|---|---|---|
| 時間課金の本体月額上限 | 3,608円 | 4,066円(2,033円×2) |
| メモリの配置 | 1台に4GB | 各VPSに2GBずつ |
| vCPU | 4コア | 3コア×2台 |
| 基本SSD | 100GB | 100GB×2台 |
| OS | 1つ | 2つを管理 |
| WebとDBの接続 | 同じVPS内 | VPS間の通信設定が必要 |
2026年10月22日の公式料金表にある、通常Linux VPSの時間課金・税込月額上限を使用しました。Pythonで 2033 * 2 = 4066、4066 - 3608 = 458 を再計算しています。まとめトクの初回割引や、公式の1GB構成例の料金を、この表へ混ぜていません。
本体料金だけの比較で、バックアップなどのオプション費と運用工数は含めていません。
合計のコア数や容量を足せるからといって、1台の性能にまとめられるわけではありません。2台のSSDは、ひとつの共有200GBディスクではない。メモリも同じです。たとえば1つのプロセスに4GBが必要なら、2GBを2台に割っても、そのプロセスへ4GBを渡せません。さらにOSや他の常駐処理の分も必要なので、4GBプランなら必ず足りるという意味でもありません。
月458円を払う理由は、OSを分けて扱いたいとき
WebとDBを別々のOSで扱いたいなら2台が候補になります。反対に、同居で困る条件がなく、運用する時間も限られているなら、1台から始める判断で構いません。
| 仮定した要件 | 候補の見方 | 契約を決める前に残る確認 |
|---|---|---|
| 1つの処理に4GBが必要、本体予算4,000円 | 2GB×2は代わりにならない。4GB×1の3,608円は予算内 | OS分を含めてメモリが足りるか |
| WebとDBは別OSが必須、それぞれ2GBで足りる想定、本体予算4,500円 | 2GB×2の4,066円が予算内の候補 | 個別の負荷、通信、バックアップ費 |
| DB障害時の自動切り替えが必須 | Web1台+DB1台だけでは満たせない | DBの代替系と切り替え方法の設計 |
要件と予算は説明用の仮定です。実在するサービスの負荷や、性能を測った結果ではありません。月額上限の差は公式料金表から計算し、構成の条件は公式のプライベートネットワーク構成例と照合しました(2026年10月22日確認)。
台数が増えると、更新や再起動を分けて考えられます。その代わり、2つのOSを更新し、両方の監視と復旧を考えることになる。458円だけ見れば小さい差でも、自分が毎月見る対象は増えます。
「無料だから分ける」は、少し順序が逆ですね。分けたい責任があるから2台にし、その通信経路としてプライベートネットワークを使います。
DBを非公開にするには、接続先と許可設定を分けて決める
DBをインターネット側から直接使わせたくないなら、VPS間の内部経路を用意し、公開側と内部側の設定を別々に確認します。プライベートネットワークを付けたことだけで、DBの非公開化が完了したとは考えません。
| 確認する場所 | 決める内容 | 見るべき結果 |
|---|---|---|
| 公開側のネットワーク | 外部へ公開するWebの通信と管理経路 | 必要な入口だけを許可しているか |
| プライベートNIC | 各VPSの内部IPとOS内の設定 | WebからDBへ内部IPで通信する設計か |
| セキュリティグループ | 送信元IP・ポート・プロトコル | DBへの通信を必要な範囲に絞る設計か |
| OS内ファイアウォール | OS側で許可する相手とポート | サービス側の設定と食い違っていないか |
| DBプロセス | 待受アドレス・接続ユーザー・権限 | 意図した経路と利用者だけで接続するか |
これは契約前に運用担当が決める項目の表です。特定の設定値を入力すれば接続できるという手順書ではなく、実機で接続や外部からの到達可否を試した結果でもありません。
プライベートネットワークの公式資料には、アタッチした後でOS側のネットワーク設定を行う例があります。セキュリティグループの公式資料は、ネットワークごとの許可設定と、OS内のファイアウォールの確認を案内しています(2026年10月22日確認)。
セキュリティグループとOS内ファイアウォールは別々に確認する必要があります。
接続できないときに設定をまとめて緩めると、どの設定が必要だったのか分からなくなります。自分なら、Web側の担当、ネットワーク設定を見る担当、DB側の担当が同じ人でも、この表は分けて残します。人を増やすためではなく、確かめる場所を飛ばさないためです。
無料のネットワークは、DBの冗長化や速度保証とは別
プライベートネットワークを使えることと、DBが止まっても自動で切り替わることは別です。Web1台とDB1台に分けても、DBの代わりになるサーバーはまだありません。
| 期待したいこと | 2台に分けるだけで言えるか |
|---|---|
| WebとDBを別OSへ配置する | 構成として検討できる |
| DBの内部通信経路を作る | プライベートNICと各設定を用意する必要がある |
| DB障害時に自動で代替系へ切り替える | 代替系と切り替えの設計が別に必要 |
| 必ず高速になる | 負荷と通信を測らないと判断できない |
公式の構成例はプライベートネットワークを10セグメントまで無料と案内し、VPS3.0のネットワーク仕様は帯域幅1Gbpsを示しています(2026年10月22日確認)。帯域の仕様値は実効速度の測定結果ではなく、接続成功も検証していません。
公式構成例の料金は今回の2GB構成の見積もりには使っていません。同ページの1GB構成の金額だけを見て、今回の2GB×2台の総額だと思わないようにしてください。
バックアップも、WebとDBを別々に保存できれば終わりとは限りません。DBのデータをどの時点へ戻したいか、アプリとの整合をどう確認するかを、契約前の運用条件に残しておきます。
分ける理由を1行で書けなければ、1台から検討する
小規模なWebアプリだから最初から2台、と決める必要はありません。ひとつのOSで管理するほうが都合がよく、必要な資源も足りるなら、1台で始める案を残します。
2台にするなら、「Webの再起動とDBの稼働を分けたい」「OSを別々に管理する必要がある」など、分けたい理由を1行で書きます。そのうえで、各2GBで足りるか、本体4,066円に保護費を足せるか、通信設定を誰が管理するかを決めます。
単一プロセスのメモリを増やしたい人、運用対象を増やしたくない人、2台で自動DB切り替えまで済むと思っている人には、そのままの2台構成は勧めません。
公式料金表とVPS3.0のネットワーク手順を並べて、先に台数と責任を決める。ネットワークが無料かどうかは、そのあとに効いてくる条件です。





