Officeの欄は0円。そこで予算表を閉じると、実際に動かすためのライセンス代を丸ごと落としてしまいます……!
さくらのVPS for Windows Serverは、通常のLinux VPSと何が違って、いくらかかり、ライセンスはどう選べばいいのか。まず結論から整理します。
- 通常のVPSとの違い:Windows Serverを搭載した専用プランで、サーバー料金とは別に、リモート接続の目的やOfficeの利用人数に応じた追加ライセンス(RDS SALやOffice SAL)が必要になること。
- メモリ別の料金目安:サーバー本体代はW1G(1GB)の月払い1,485円・年払い16,335円から、W8G(8GB)の月払い10,780円・年払い118,580円まで(初期費用0円)。
- 必要なライセンス数:サーバー管理以外の通常業務でリモート接続するなら「利用者人数分のRDS SAL」、Officeを使うなら「人数分のOffice SAL」が必要。ただし、ライセンスを何人分買っても**「同時に接続できるのは最大2人まで」**という上限があります。
自分なら、最小プランの値段より先に「何人が使い、何人が同時に接続するか」を決めます。ここを曖昧にしたまま契約すると、後からライセンスを追加できなかったり、同時作業ができずに困ったりするからです。
W1G〜W8Gの月額と年額
W1G〜W8Gをサーバー単体で比べるなら、月払いは1,485〜10,780円、年払いは16,335〜118,580円です。下表は税込で、初期費用は0円。大阪と石狩のどちらを選んでも料金は変わりません。
| プラン | メモリ | 月払い | 年払い | 月額×12と年額の差 |
|---|---|---|---|---|
| W1G | 1GB | 1,485円 | 16,335円 | 1,485円 |
| W2G | 2GB | 2,750円 | 30,250円 | 2,750円 |
| W4G | 4GB | 5,390円 | 59,290円 | 5,390円 |
| W8G | 8GB | 10,780円 | 118,580円 | 10,780円 |
右端は公式の月額を12倍し、年額を引いてPythonで計算した参考値です。この4プランのサーバー代は、年払いにすると、ちょうど月額1か月分安くなる計算ですね。ただし、これはサーバー本体代だけの話。後から出てくるライセンス代まで同じように割り引かれるわけではないので注意してください。
月額を12倍した数字は支払い区分を比べる参考値で、初回請求額や日割りを再現した請求見積もりではありません。月払いの初回は2か月分を前払いし、次の請求で月末に合わせる日割り精算があります。
出典:料金・サービス仕様、支払いの流れ(2026-10-24確認)。
安い順にメモリを決めるのは、ここで止めます。料金とライセンスを比べており、アプリの動作速度や必要なメモリは実測していません。使うアプリの動作要件を確かめてからプランを絞ってください。
Linux用の通常VPSを探しているなら、さくらのVPSの料金へ。Windowsの表を、そのままLinux用プランに当てはめないようにします。
Officeを使う人数から年額を計算する
W2GでOfficeを1人が使う年払いの想定なら90,970円、2人なら151,690円です。サーバー1台の年額30,250円に、1人あたりRDS SAL15,840円とOffice SAL44,880円を足しました。
公式サイトの「Officeソフトウェア料金0円」という文字を見て「安くOffice環境が手に入る!」と思うと、思わず二度見することになります。ソフト自体のインストール代が0円でも、利用者ごとのライセンス費用はしっかり残る。ここは、サーバー代だけを見ていると予算が大きく変わるところです。
| Officeを使う人数 | W2Gの年額 | RDS SAL年額 | Office SAL年額 | 合計の年額試算 | サービスの同時接続上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 30,250円 | 15,840円 | 44,880円 | 90,970円 | 2接続 |
| 2人 | 30,250円 | 31,680円 | 89,760円 | 151,690円 | 2接続 |
| 3人 | 30,250円 | 47,520円 | 134,640円 | 212,410円 | 2接続 |
計算式は、30,250+人数×(15,840+44,880)。2026年10月24日に公式の税込年額を読み、Python3で人数を1・2・3に変えて計算しました。実際の契約や請求を再現した数字ではありません。
試算はW2Gのサーバー代とRDS・Officeの年額だけを足し、SQL Serverや追加ストレージの費用は含めていません。W2Gで必要な処理が動く、という性能の推奨でもありません。
では、3人分買えば3人で同時に使える?
……ここ、増えないんです!
公式FAQにも、リモートデスクトップの同時接続は「2」までで3以上へ変更できない、とはっきり案内されています。契約する利用者数と、同時に接続できる人数は別です。3人が交代でログインする使い方なら成り立ちますが、3人が同時に作業するなら、この構成を選んではいけません。
出典:追加ソフトとライセンスの料金、同時接続のFAQ(2026-10-24確認)。
OfficeとSQL Webは申し込み前に決める
Office SALかSQL Server Web Editionが必要なら、サーバーの新規申し込みと同時に選びます。後から追加できない、と公式FAQに明記されています。
| 使い方・ソフト | 契約前に決めること |
|---|---|
| サーバー管理以外のリモート利用 | 利用者数に応じたRDS SAL |
| Office | Office SALの人数。ソフトウェア料金0円だけで予算を決めない |
| SQL Server Web Edition | サーバーと同時申し込み。1コア月額1,100円、最低4コア分 |
| SQL Server Express Edition | 契約後にも利用できる。必要な機能や制約をWeb Editionと分けて検討 |
「とりあえずサーバーだけ契約して、Officeが必要になったら後から足そう」。これは一番避けたい落とし穴です。既存の契約へ後から付け足すことはできません。追加が必要になったらどうするか、別の契約やデータ移行も含め、申し込み前にサポートへ確認しておきたいところです。必要なソフト、使う人数、同時に入る人数を紙に並べてから申し込みます。
出典:追加ソフトの条件、契約後の追加可否(2026-10-24確認)。
試してから決めるなら、2週間後の本登録まで見る
クレジットカード払いで申し込み時に試用を選ぶと、2週間の無料お試しを使えます。期間終了時は自動で本登録されるため、続けないならキャンセル手続きが必要です。RDS・Office・SQLの試用も、サーバーと同時申し込みの場合が対象です。
お試し中は転送帯域が10Mbpsで、無償ネームサーバーも使えません。試用で確認した動作を、そのまま制限解除後の性能評価にはしないようにします。契約の最低利用期間は、オプションも含めて3か月です。
出典:お試しと本登録の流れ、最低利用期間(2026-10-24確認)。
通常のさくらのVPSには新規受付の停止告知があります。2026年10月23日15:30の追記で石狩リージョンのみ新規申し込みを再開し、東京・大阪の再開時期は未定と案内されています。Windows Server専用の新規申し込みにこの停止が適用されるかは、告知本文だけでは確認できていません。申し込みの可否は、Windows専用の案内・申込画面で確かめてください。
出典:2026年10月16日からの受付停止告知(2026-10-24確認)。
3人同時の作業や、お任せ運用なら選ばない
3人以上が同時にリモート接続する使い方なら、SALを増やしてこの構成で解決しようとはしません。同時接続上限2に合うかを先に判断します。
OSやセキュリティの管理まで任せたい人にも、このVPSは合いません。管理者権限を受け取り、自分で運用するサービスです。使えるWindowsが届けば保守も終わり、とは考えない方がいいです。
Officeを使うなら、ソフトウェア代0円ではなく、必要人数分のSALを足した総額で年間予算を組むこと。必要なメモリを確かめ、OfficeやSQL Webを同時に申し込むか決めてから、Windows Server専用の公式案内で受付状況と合わせて確認してみてくださいね。





